ダンススクールで隣のクラスのレッスンを覗いてみると
ちょうど同僚の先生がとても細かい内容を教えていました。
先生は詳しい説明をしながら
「こんなに細かいのは”ベックメッサーライ”だけれど
今日は例外的に教えます」
この”ベックメッサーライ”という表現に
ほとんどの大学生たちは「???」という反応でしたが
ある程度よく知られた表現です。
ベックメッサーは、ワークナーの楽劇
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
に登場するマイスターの一人🎵
若い騎士ヴァルターが
マイスターの称号を得るための
「資格試験の歌」を歌い始めると
市書記のベックメッサーは規則に照らして
片っ端からチェックを入れ、
歌を途中で止めさせようとします。
この役から、細かいことを批判する衒学者のことを
「ベックメッサー」と呼びます。
そして、あまり重要でない小さな規則違反に
過剰にこだわって
学識をひけらかすような指摘をすることを
「ベックメッサーライ」と言います。
でも、細かな点が全体に影響を与えることもあるので
レッスンではときにベックメッサー的な
ディティールを教えることもあります。