ウィーンの人たちは、どのように年を越すのでしょうか?ウィーンで育った人に話を聞いてみると、ほとんどの人が同じことをしているようです。今回は、典型的なウィーンの年越しについて、お伝えします!
大晦日
12月31日は、まだ日が短く、午後4時過ぎには暗くなってしまいますが、その分、クリスマスの飾りやライトアップがとてもよく映えます。例年、ウィーン1区は大勢の人で埋め尽くされ、爆竹が飛び交い、やや身の危険を感じる程です。
オペレッタ「こうもり」
年末年始には、毎年、国立歌劇場とフォルクスオーパーで、ヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」の公演があります。2020年は、コロナウイルスの影響でロックダウン中だったため、お客さんのいない国立歌劇場からテレビ中継されました。このオペレッタの第3幕で、舞台の真ん中にカレンダーが掛かっていて、「12月31日」と書いてあります。看守のフロッシュ(ドイツ語でカエルの意)がカレンダーをめくると、なんと「12月32日」と書いてある、という演出があります。何回観ても笑ってしまいます。
シュテファン寺院の鐘とウィンナワルツ
真夜中には、ウィーンの中心である「シュテファン寺院」の鐘が鳴り響きます。シュテファン寺院の前で”生”の鐘の音を聞く人もいれば、ラジオやテレビから流れてくるのを聞く人もいます。
そして、オーストリアの第二の国歌とも言える、ヨハンシュトラウス2世作曲の「美しき青きドナウ」が演奏され、皆がワルツを踊ります。
花火
日本では花火は夏の風物詩ですが、オーストリアでは大晦日の真夜中に、新年のお祝いとして打ち上げられます。そこら中で打ち上げられるので、家の窓からも楽しめますが、こちらに飛び込んでこないかと少し心配になります。こちらの映像は、典型的なウィーンの労働者階級を描いたコメディーからの一コマです:
舞踏会
2020ー21年シーズンの舞踏会は、全てキャンセルされましたが、例年は、大晦日の舞踏会も催されます。王宮で開催されるSilvesterball(ジルベスター舞踏会)では、舞踏会前にガラ・ディナーもあり、外国からのお客さんが多く訪れます。市庁舎でもジルベスター・ガラが催されます。
元旦
大晦日は夜遅くまで起きているので、元旦の朝はゆっくりする人がほとんど。でも、11時15分に始まるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートに間に合うように起きます。家族や友人に、幸運を呼ぶと考えられている、四つ葉のクローバーやキノコ、煙突掃除人、ブタの形のチョコレートをプレゼントし合う習慣があります。