エルマイヤー・ダンススクールは2019年に100周年を迎えました。記念イヴェントが催され、メディアでも頻繁に取り上げられました。
イヴェントでは、1920年代に流行った踊り「チャールストン」などのダンスショーがあり、ウィンナワルツも演奏されました。
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団からも、ダンスしているカップルがデザインされた大きなケーキが贈られました。
高校生と大学生も、誕生日を賑やかに踊ってお祝いしました。
オーパンバルのアイディア
創立者のヴィリー・エルマイヤー・ヴェステンブルックは、オーパンバル(ウィーン国立劇場主催の舞踏会)の最初の形を築きました。劇場の平土間席から椅子を取り払って、舞台と客席の床と繋げ、大きなダンスホールに変身させるというのは、ヴィリーのアイディアでした。この作業は大勢の人手を要する上に、丸一日はかかるというので、多くの人が反対しましたが、それを押し切り、実現させたそうです。ヴィリーは、自身の伝記に、「作業をする人たちのために、ビールの差し入れをした」と書いています。
ちなみに、2002年ー2009年シーズンに国立歌劇場の音楽監督を勤めた小澤征爾さんは、椅子を取り払った床の上で、子供達のためにモーツァルト「魔笛」の公演を企画しました。
現在のエルマイヤーダンススクールで、教師たちは100年前と同じ語呂合わせを使って教えています。50年以上前にエルマイヤーの生徒だった人が、通り掛かりにレッスンの様子を耳にし、ヴィリーがまだ生きているのかと勘違いするほどです。
この伝統がこれからもずっと続ことを願ってやみません。