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”デビュタント”って何?

ウィーンの舞踏会は、華やかなオープニングセレモニーで始まります。その主役はなんと言っても、Debütant (デビュタント)と呼ばれる、若い男女たちです。今回は、デビュタントとして舞踏会に参加することについてお伝えします。

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デビュタントの条件

ウィーンでは古くから、15歳か16歳になると、ダンスを習いに行くのがしきたりになっています。一般教養としてダンスを身につけるのが目的ですが、彼らの最初の目標は、舞踏会にデビュタントとして参加することです。日本からでも、デビュタントとして参加することができます。デビュタントになる為には、次の条件を満たしていなければなりません。

  • 未婚であること
  • ウィンナワルツ の左回りを踊れること
  • 燕尾服またはタキシード、純白のイブニングドレスを用意できること

貴族出身でなければならないとか、両親が大金持ちでなければならない、というような条件は全くありません。



未婚であることと、年齢制限

デビュタントとして参加するには、まず、未婚であることが前提条件です(既婚の方は、一般のお客さんとして参加しましょう)。舞踏会によっては、年齢制限を設けてあることもありますので、ウェブサイトで確認しましょう。例えば、ウィーン国立歌劇場の舞踏会「オーパンバル」では、17歳から24歳までと制限されています。

ウィンナワルツのテスト”Vortanzen”

ウィンナワルツには、右回りのステップと左回りのステップがありますが、デビュタントは舞踏会のオープニングセレモニーで左回りのワルツを踊るのが伝統になっています。ドイツ語で、Linkswalzerといいます。

Vortanzen

舞踏会の数カ月前または数週間前に、Vortanzen(フォアタンツェン)というオーディションの日が設けられます。そこでは、審査員たち(舞踏会の主催者とダンス教師)の前で、一組ずつが左回りのワルツを踊って部屋を一周します。ステップが正しく踊れているか、音楽のテンポに合っているかどうかなどが審査されます。テンポは、1分間に60小節の速さと決まっています。緊張のせいで速くなってしまう人もいますが、初心者の場合はこの速いテンポで踊るのをマスターするのに結構苦労します。合格率は、舞踏会や開催年によって様々で、参加できる人数に対して参加を希望する人数が大きく上まっていることもあれば、ほぼ全員が合格することもあります。ここで晴れてデビュタントとしての参加資格を得られると、リハーサルの時間や場所などのインフォメーションが書かれた紙を渡されます。

服装

舞踏会では、男性はタキシードか燕尾服が必要になります(例外として、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の舞踏会と、国立歌劇場の舞踏会では、燕尾服のみと指定されています)。レンタルすることも可能ですが、何回か着れば元を取れるので、購入する人がほとんどです。他に、革靴(燕尾服の場合はエナメル)と、白い手袋も必須です。

女性には、長さが床まである純白のドレスが必要です。白い靴と白い手袋も忘れずに用意しましょう。

舞踏会の服装マナー:ドレス?燕尾服?タキシード?

ワルツのレッスン

ワルツのオーディションの前に、レッスンを受けることをお勧めします。プライベートレッスンですと、時間が自由に選択できて、個々人のレベルに応じて学べるのでお勧めです。舞踏会シーズン中は予約がいっぱいになることがありますので、早めにご連絡ください。

また、女性でダンスパートナーがいない方のために、男性パートナーを手配することもできますので、パートナーが居ないからといって諦めずに、ぜひご連絡ください。

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参加料は無料

ウィーンの若者たちは、1シーズンに5つも6つも、多い人で30もの舞踏会に、デビュタントとして参加します。理由はもちろん楽しいからですが、もう一つの訳は、デビュタントとして参加するのは無料で、入場券を買う必要がないからなんです※。舞踏会の入場チケットは、学生料金でも決して安くはないので、デビュタントとしてタダで舞踏会にいけるのは、とても魅力的です。舞踏会によっては、デビュタントに食事が出されたり、もう一枚入場チケットがもらえたり、女性のデビュタントたちはお化粧品セットをもらえることもあります。

※オペラ座の舞踏会と、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の舞踏会では、デビュタント用の入場チケットを買う必要があります。2021年はオペラ座舞踏会で120ユーロ、ウィーンフィルの舞踏会で60ユーロです(コロナウイルスの影響で中止になりました)。その代わり、指定のヘアサロンで髪をセットしてもらえますし、美しいティアラを頂けます。

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リハーサル

舞踏会の数日前から合計3〜5回のリハーサルが行われます。練習するのは、入場のポロネーズ、各舞踏会の為に選ばれた曲に振り付けされた踊り、そしてウィンナーワルツです。舞踏会当日(または前日)には、Generalprobeという総稽古が行われます。



いよいよ本番

集合時間に、楽屋または指定された集合場所へ集まります。そこで小さな花束が配られます。オープニングセレモニーでは、入場してから踊りが始まるまで、長い時間立っていることになるので、目眩がして座り込んでしまうデビュタントがよくいます。当日はよく水分を摂って、しっかりと食べておく事が大事です。

オープニングセレモニーが済んだら、あとは一般のお客さんと同じように舞踏会を楽しみます。白いドレスを汚してしまうのが心配でしたら、他のドレスに着替えても良いでしょう。

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