ウィーンの舞踏会は、貴族階級や大金持ちのものだと思っていませんか?
いいえ、舞踏会には誰でも行くことができます。
必要なのは、入場チケットと服装だけ!
たとえダンスが踊れなくても、大丈夫。
舞踏会には、ダンス以外にも楽しめる要素がいくつもあるんです。
舞踏会での服装についてはこちらへ。
入場チケット
舞踏会に参加するにはまず、入場チケットを手配する必要があります。
日本からでも、舞踏会のウェブサイトで申し込むことができます。
または、いくつかの舞踏会(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の舞踏会は9月の発売早々に、狩人の舞踏会は一年前に売り切れてしまいます)以外は、舞踏会直前でもチケットが買えますし、当日券もあります(当日券は割高になります)ので、
ウィーンに着いてから窓口で購入することも可能です。
日本の旅行会社のツアーで、舞踏会がセットになっているものを申し込む方も多いです。
ウィーン国立劇場の舞踏会 Opernball オーパンバルに参加するツアーは人気です。
舞踏会には、ダンスの他にも楽しみがある
オープニングセレモニー
舞踏会は、オープニングセレモニーで幕を開けます。
まず、厳かな音楽が鳴り響き、何組もの若い男女が入場してきます。
彼らは「デビュタント」と呼ばれます。
デビュタントとして舞踏会のオープニングセレモニーで踊ることは、もともと、社交界に”デビュー”するという、成人式のような意味がありました。
今の高校生・大学生たちは、楽しみの一つとして参加しています。
もし、あなたが15/16歳〜20歳代で、未婚であれば、デビュタントとして舞踏会のオープニングセレモニーに出演することも可能です。
デビュタントの詳細はこちら。
デビュタントたちに続いて、来賓客の入場と開会の祝辞があり、そのあとにオペラ歌手やバレエによる出し物を鑑賞します。
その後に、いよいよデビュタントたちが踊りを披露すると、お客さんが拍手喝采し、オープニングセレモニーが締めくくられます。
そして、舞台の上のダンス・マイスターが言う、”Alles Walzer! アレス・ヴァルツァー!”(皆さんでワルツを!)を合図に、ダンスフロアがお客さん全員に開かれます。
オープニングセレモニーは、立って観ることも可能ですが、メインホールのテーブル席を購入しておけば、グラスを片手にゆったりと鑑賞することができます。入場チケットにテーブル席は含まれていませんので、別途に購入する必要があります。
ダンス音楽
舞踏会の会場はいくつもあり、その中でも一番多くの舞踏会が開催されるのが、ホーフブルク(王宮)です。
他に、コンツェルトハウスやラートハウス(市庁舎)、楽友協会ホールでの舞踏会もあります。
どの舞踏会でも、メインになる大きなダンスホールと、他のいくつかの部屋で、オーケストラやバンドが代わる代わるダンス音楽を生演奏します。
その中には、ウィンナーワルツだけでなく、チャチャチャ、サンバ、ルンバ、ブギウギ、スローワルツ、フォックストロット、タンゴなどもあります。
ディスコの部屋もあります。
まだダンスを習ったことがない方は、それぞれの部屋の装飾や音楽を楽しみながら、ゆったり歩くだけでも、十分に雰囲気を満喫することができます。
バー
そして、小腹が空いたらバーへ!
バーには、飲み物、軽食、ケーキ、チョコレート、アイスなどがあり、こちらも皆の楽しみの一つです。
オーストリア産のワインやシャンパン、有名なザッハートルテ、ザッハーソーセージ、オーストリア・ハンガリー料理のグーラシュというスープなど、オーストリア・ウィーンの名物がずらりと並んでいます。
他にも、カジノや、ダンスの入門レッスン、慈善事業を兼ねた福引き、記念写真撮影所、即席の美容院などがあります。
女性の皆さんにとっては、他の女性のドレスを眺めるのも、楽しみの一つですね。
真夜中の出し物
真夜中には、メインのダンスホールで出し物があります。
内容は舞踏会によって様々で、国立歌劇場のオペラ歌手やバレエダンサーたちのショーだったり、ポップスシンガーだったり、またオーストリアの民族舞踊が披露されることもあります。
そして、その後が舞踏会のクライマックス、お客さんが皆で一緒に踊る時間です。
まずは、カドリール。
カドリール(またはカドリーユ)とは、フランスとイギリスが発祥の古典舞踊で、男女のカップルが列に並んで踊ります。
正面に並んだカップルと、挨拶を交わしたり、女性を交換したりといった振り付けがあります。
ちなみに、古い映画の中でよくカドリールのシーンがあります。
現在ほとんどの舞踏会で踊られるカドリールは、ヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」からの6つの音楽に合わせて完成された振り付けです。舞台上にダンス教師が立ち、振り付けの動きを説明しながら、音頭を取ります。ですが、お客さんのほとんどは、振り付けを知らないか、忘れてしまったか、またはシャンパンを飲みすぎたかで、間違いながら踊るので、曲が終わってふと横を見ると、知らない女性が立っていたり、男性同士で手を組んで並んでいたり・・・。そういったハプニングがあればあるほど面白いものです。カドリールは午前2時にもう一度踊られます。
その次に、ギャロップという踊りがあります。
ヨハン・シュトラウス2世作曲のポルカ・シュネル「雷鳴と稲妻」や「トリッチ・トラッチ・ポルカ」に合わせてカップルごとに走り回ります。途中カップルが並んで手を高くあげて繋ぐと、トンネルができます。その下を潜り抜けて行って、トンネルが途切れたところで、自分たちもトンネルになります。とても楽しいですので、ぜひ参加してみてください。
写真(下)はエルマイヤー・クレンツヒェン(エルマイヤー・ダンススクール主催の舞踏会)にて。
そして最後にウィンナワルツで、真夜中の出し物が締めくくられます。
その後は、引き続きダンス音楽が演奏され、高揚した雰囲気が続きます。たとえワインを飲まなくても、酔ったような気分になります。
そして時間が経つにつれ、家路につく人が増え、会場は徐々に空いていきます。
終演の4時か5時まで踊り明かしたら、朝ごはんを食べにそのままカフェへ行く人もいます。
ダンスができればさらに楽しめる
舞踏会は誰でも参加でき、たとえまだダンスを習ったことがなくても、楽しめる要素がいくつもあります。
もちろん、事前にダンスを少しでも練習しておけば、舞踏会をさらに楽しむことができます。
ウィーンのダンス学校では、誰でも舞踏会ですぐに踊れるようにレッスンを行っていますので、ぜひウィーンでレッスンを受けてみてくださいね。