ウィーンに来たら、必ず訪れたいのがオペラ公演やコンサート。ウィーンには、いくつもの劇場やコンサートホールがあり、毎日最高のものに接することができます。今回は、劇場やコンサートホールでのマナーについてご紹介します。
ウィーンの主な劇場とホール
オペラ・オペレッタ・バレエ
コンサート
演劇
ミュージカル
劇場やコンサートホールでのマナー
時間に余裕を持って行く
会場に向かう途中、デモによる通行止めにあったり、地下鉄のダイヤが乱れていたりと、何があるかわかりません。会場に入ってからも、コートをクロークに預けて、トイレを済ませ、プログラムを買って、席に着くまで15分くらいはかかるでしょう。席が2階や3階の場合はさらに時間がかかります。エレベーターは数が少なく、しかも小さいので一度に数人しか乗れません。階段を使うにしても、急いでいては汗をかいてしまいますね。早めに着いて、開演までの時間を、建物の装飾や雰囲気を楽しみながら、ゆったりと過ごしましょう。そして、遅くても開演5分前までに、席につくようにしましょう。遅れて来た人は、ほとんどの場合、最初の休憩の後まで入れません。
席につく時は、他人に背中を向けない
自分の席が列の中ほどで、すでに他のお客さんたちが座っているとします。まず、端のお客さんに「すみません」と声をかけ、足を退けてくれるように促します。マナーを心得ている人たちは、すぐに立ち上がってくれるでしょう。ここでよくある間違いが、通る際に他のお客さんに背中を向けてしまうことです。これでは失礼です。向かい合うようにして、「こんばんは」「Danke ありがとうございます」と挨拶しながら通りましょう。男性が女性と一緒に通る場合は、男性が先に通って、さらに女性の椅子を下ろしてあげるとより親切です。
ちなみに、教会の中では逆に、祭壇の方に背を向けず、他の人に背を向けて通ります。
音を立てない
携帯電話、スマートフォンの電源を切りましょう。スマートフォンを使用するのは、舞台の上から見えます。出演者に対して失礼な行為であるだけでなく、周りのお客さんにとっても大変不快です。また、話し声や、咳払いなども、他の人の迷惑になります。
演奏中の飲食は禁止です。しかし、会場の空気は乾燥しているので、咳が出てしまうこともあるでしょう。そういう時のために、飴を用意しておくと良いです。ただし、開封するときに音が出にくいものを、すぐに手に取れるように準備しておきましょう。
拍手の仕方
交響曲や協奏曲の楽章間では、拍手をしません。最終楽章が終わってから、拍手をしましょう。オペラでは、稀にアリアの後に拍手がされることもありますが、通常は一つの幕が終わった時に拍手をします。ときに、演奏後の余韻を味わうため、拍手がすぐに起きないこともあります。指揮者が手を下ろすまで(または他の人が拍手をし出すまで)待ちましょう。
演奏が終わったらすぐに立ち上がって帰ってしまう人を見かけますが、大変失礼な行為です。拍手は、舞台上の人に、感謝の意を表するものです。最後まで拍手をして出演者を見送りましょう。演奏が特に素晴らしかった場合は、スタンディングオーベーションといって、立ちあっがて拍手をします。「ブラヴォー」などの声が上がることもあります。残念ながら演奏が気に入らなかった場合は、ブーイングをするのではなく、拍手をしないことで表現しましょう。
拍手をするときは、片方の手(ほとんどの方は右手)の指で、もう片方の手(左手)の手の平を叩きます。両手をシンバルのように合わせるのは正しくありません。
服装
装いは場の雰囲気をつくります。エレガントな格好をしましょう。特にオペラのプレミエ公演では、「ブラック・タイ」つまり男性はタキシード、女性はイブニングドレスを着ましょう。
公演前に、玉ねぎやニンニク、カレーなどの匂いが強いものは食べないようにしましょう。アルコールの臭いもなかなか誤魔化せるものではありませんので、公演の後にしましょう。