エピソード

マナーは正しければ良いわけではない

Jugendkurs

くしゃみには反応しない

誰かがくしゃみをしたとき、なんて声をかけますか?

ドイツ語では、

Gesundheit!(ゲズントハイト)

と言います。

言葉の意味は「健康」。”お大事に”というニュアンスです。

映画などで聞いたことがあるのではないでしょうか。

実は、これはマナー違反です!

なぜかというと、次のマナーがあるからです。

身体から出る、あらゆる音は無視すべし。

身体から出る音、いろいろありますね・・・笑

つまり、誰かがくしゃみをしても、反応しないのが正しいマナーということです。

マナーに反すべきときもある

例えば、このマナーを知らないおばあちゃんがくしゃみをして、可愛い孫が ”Gesundheit (お大事に)” と言ってくれなかったら、おばあちゃんは悲しい気持ちになることでしょう。

この場合、孫はこのおばあちゃんの気持ちを敏感に察知して、たとえマナー違反であっても、”Gesundheit" と言ってあげます。

そうすれば、おばあちゃんも”Danke! (ありがとう)”とニッコリ。

マナー感覚とは?

このような、人の感情に対する思いやりのことを、ドイツ語で Takt(タクト)

また、その感覚を Taktgefühl (タクト ゲフュール)といいます。

1.  Taktとは?

Takt(タクト) には、他にも「拍子」という意味があります。

例えば、ウィンナーワルツは4分3拍子なので Dreiviertel Takt(ドライ・フィアテル タクト)。

舞踏会にデビュタントとして参加するためのオーディションでは、いくらステップを正しく踊れてても、それが音楽より遅かったり速すぎたりしたら合格できません。

そんな時、

Sie waren nicht im Takt!(拍子に合っていませんでしたよ!)

と、注意されます。

Vortanzen

2.  Gefühlとは?

Gefühl(ゲフュール)は「感情、気分、それから感覚、センス、直感」といった意味。

例えば、リズム感覚は Gefühl für Rhythmus といいます。

Taktgefühl は、「鋭敏な感受性、思いやり、如才なさ」つまり「マナー感覚」という意味です。

さいごに

良い礼儀作法には、判断力が欠かせません。

マナーは私たちのコミュニケーションを、気持ちよく、スムーズにするためにありますが、他人に対する思いやり、親切心なしには、マナーの知識も意味のないものです。

所変わって日本の小笠原流の伝書にも、『いづれも時宜によるべし」と書かれているそうです。

いつも相手の気持ちを察するように努め、Taktgefühl(マナー感覚)を磨きましょう!

 

もう一つの例はこちら↓

マナーを知らなかった若者はどうして恥をかかずに済んだのか?

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