ウィーンの舞踏会では、参加者の誰とでも踊ることができます。
一人で参加して、知らない女性をダンスに誘って踊る男性もよく見かけられます。
さらに、同じテーブルに座っている人たちとは一回は踊りましょう、というマナーがあります。例えば4組の男女が座っているテーブルでしたら、自分の相手の他に、3人の女性と踊ることになります。
さて、どうすればエレガントにダンスへ誘うことができるでしょうか?
オーストリアのダンススクールで教えられている「型」をご紹介します!
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男性が女性をダンスに誘う
男性が女性をダンスに誘うとき、注意すべきことがあります。それは、その女性が一人か、もしくは連れの男性が隣に居るかどうかです。
まず、女性が連れの男性を伴っていない場合の誘い方です。
- 男性が女性へ歩み寄り、お辞儀をする
- 女性が了承する
男性はダンスへ誘いたい女性に歩み寄って、両足を揃え、軽くお辞儀をします。
知らない人であれば、名前を言いましょう(緊張のあまり、自分の名前が出てこない!なんてことも起こり得ますので、お辞儀をしている最中に、自分の名前を頭の中で思い出しておくと良いです)。
女性は、頭を横に傾けるようにうなずいて、了承します。初めて会う人であれば、名前を伝えます。笑顔を忘れないようにしましょう。
女性が連れの男性と一緒に居る場合
ダンスへ誘いたい女性の隣に連れの男性がいる場合は、直接女性に声をかけてはマナー違反です。
- 女性のパートナーに、彼女と踊っても良いか聞く
- パートナーが女性に聞き、女性が了承する
- 女性の前でお辞儀をする
まず、女性のパートナーに、「彼女と踊っても良いですか?」と聞きましょう。
ドイツ語で
Gestatten Sie? (ゲシュタッテン ズィー)
と言います。
すると彼は女性に、どうですか?と聞き、女性が了承すると、どうぞ、と返事をします。
その後は、連れを伴っていない女性の場合と同じです。
ここで、座っている場合は、女性が立つときにパートナーの男性も必ず立ち上がります。
ダンスフロアへ
社交上のランクが上である女性が右側を歩くよう、男性は女性に右腕を差し出し、女性はそこに左腕を組ませて、ダンスフロアへ向かいます。
男性はフロアを見渡して、少しでも空いている場所を探し、そちらへ女性をエスコートしましょう。
女性が男性をダンスに誘う
女性が踊りたい男性を選ぶことを、ドイツ語で
Damenwahl (ダーメンヴァール)
と言います。
Rudolfina Redoute という舞踏会では、女性は仮面をつけて参加する事になっています。この舞踏会の真夜中に、伝統となっているDamenwahl があり、女性たちは仮面で顔を隠したまま好きな男性にダンスを申し込み、そのダンスの後、仮面を外して正体を明かす・・・という演出がなされます。
いよいよダンス
さっそく踊ろうとしたけれど、どのダンスか判断出来ない、なんてことも起こり得ます。そういう時は、ダンス相手に聞いてみても良いですし、これかな?っていうダンスを踊ってみましょう。
周りを見渡しても、ブギウギを踊っている人たちとクイックステップを踊っている人たちが混ざっていたりと、とても自由です。たとえ間違えても誰も見ていませんし、自分の踊りたいダンスで楽しみましょう。
二人のダンス経験に差がある場合は、経験の多い方が少ない方に合わせます。例えば、女性がブギは踊れてもフォックストロットは踊れないといった場合、曲がフォックストロットであっても、女性に配慮してブギを踊ります。
リードする側である男性は、まず基本ステップから踊り始めて、女性の反応を見ながら徐々に他のフィガーを踊るようにしましょう。
舞踏会へ一緒に来た相手ではない人とのダンスは数曲まで
ダンス曲によっては、3分くらいの短いものから、ウィンナーワルツなどですと10分くらいのものまであります。
ひとつのダンスが済んだら、男性は女性に席へ戻りたいか、それとももう一曲踊りたいか聞いてみましょう。多くても3つのダンスを踊ったら、元居た場所までエスコートします。彼女のパートナーを待たせて、一緒にバーへドリンクを飲みに行ってはいけませんよ!
さいごに
ウィーンの舞踏会では、皆が踊るために来ています。自分のパートナーだけでなく、友達や仕事の同僚はもちろん、見知らぬ人ともダンスを楽しみましょう。
ただし、オーケストラの奏者、ウェイターや主催者側のメンバーなど、舞踏会に仕事のために来ている人をダンスに誘うことはもちろんできません。
ダンスへの誘い方をマスターして、舞踏会を楽しんでください!
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