舞踏会では、いろいろな種類の音楽が次々と演奏されます。その都度、音楽を聴いて、どのダンスを踊るか決めなければなりません。ダンスの経験が浅いうちは、なかなか判断が付けられないかもしれません。でもご安心ください。少しの知識と慣れで、すぐに聞き分けられるようになりますよ!ここでは、聞き分け方のコツと、曲の例を挙げたいと思います。
まずはビートをつかもう
音楽には、ビート(拍子)があります。ダンスのステップは、このビートに合わせて踊らなくてはなりません。音楽の経験が少なく、ビートが聞き取れないという方は、音楽を聴きながら数を数える練習が必要です。歌手やメロディーに惑わされず、ベースや打楽器の打つビートに耳を集中させてみましょう。
いくつまで数えられるか
ビートの中に、特に強く打たれる拍があります。分かりずらい場合は、スピーカーに手を当てて見てください。ズンッという、より強い振動が感じられるのがそれです。そのより強い拍が、1拍目です。その強拍を1として、次の強拍が来るまでを数えてみます。1・2・3(強・弱・弱)の場合は3拍子で、1・2・3・4(強・弱・弱・弱)または(強・弱・やや強・弱)の場合は4拍子です。
3拍子と判断できたら、ウィンナー・ワルツか、スロー・ワルツのどちらかだと分かります。他のダンスは全て4拍子です。タンゴ、サンバ、パソドブレは2分の2拍子ですが、”1234”と数えることができます。
曲の速さ
そして、次の判断材料は、曲のテンポが速いか遅いか。3拍子で遅ければスロー・ワルツ、速ければウィンナワルツだと判断できます。4拍子で遅ければ、ルンバの可能性が大きいです。
曲の雰囲気も判断材料
- スロー・ワルツ
ゆっくりな4分の3拍子で、ヴァイオリンなどの弦楽器が活躍します。
例 "Moon River" "What the world needs now" "Life is a Long Way to Run"
- タンゴ
歯切れの良い、タンゴ独特の雰囲気は、判断しやすいと思います。
例 "Unbreak my Heart" "Tango D'Amour" ”Money Money Money”
- ウィンナワルツ
シュトラウス2世、レハール、ツィーラーなどのワルツが演奏されます。他に、"Que Sera" や、ショスタコーヴィッチの”2nd Waltz”も人気です。
- フォックストロット
日本では「ブルース」という名前で親しまれています。4分の4拍子で、ジャズのレパートリーが多いです。
例 ”L.O.V.E." ”Country Road" "King of Dixieland"
- チャチャチャ
速い4分の4拍子で、カウベル、マラカス、タンバリンなどの楽器が使われることが多いです。
例 "Tea for Two" "Sway" "It Never Rains in Southern California"
- サンバ
速い4分の2拍子。ブラジルのカーニバルの雰囲気です。
例 "Copacabana" ”Tico Tico" ”Eso Beso"
- ルンバ
ゆっくりとしたテンポで、ロマンチックな雰囲気を持った、愛を語り合う音楽。
例 ”Somethin' Stupid" "Fields Of Gold" "Stand By Me"
- ブギ
日本では「ジルバ」と呼ばれています。ロックンロールの音楽が中心です。Offbeat オフビートといって、2拍目と4拍目に強拍があります(弱・強・弱・強)。
例 ”Rock Around the Clock" "I'm So Excited" "Footloose"
迷ったら好きなダンスを
時には、はっきりと判断できない曲が演奏されることもあるでしょう。周りを見渡しても、フォックストロットを踊っている人と、ブギを踊っている人が混ざっていたりで、真似することもできません。そういう時は、踊りたいダンスを踊って大丈夫です。誰も間違いを指摘する人は居ませんし、自分が楽しむのが第一です。
すでにこれら全てのダンスを踊ったことがあれば、どのダンスかを判断するのはさほど難しくないでしょう。でも、例えばワルツとブギとフォックストロットの3つのダンスしかまだ習ってない方の場合、サンバの音楽を聴いても、サンバだと知ることができないのは仕方ありませんね。
判断する力をつける一番の方法は、音楽をたくさん聞くことです。
社交ダンス~『Shall We Dance?』歌謡曲編
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