日本語では「〇〇さん」「〇〇先生」
といった呼び方をするのがほとんどですが、
ドイツ語、特にオーストリアでは、苗字の前に付けるものがあります。
それは
Titel (ティーテル)
学位、肩書き、称号という意味です。
オーストリア人には
Titelsucht(ティーテル・ズフト)
= 称号や肩書きに対する執着 があります。
Titel をつけ忘れると
人によっては感情を害することもありますので
名前と一緒に覚えるようにしましょう。
よく使われるTitelとその略した書き方
Magister, Mag. 修士
Doktor, Dr. 博士(医者と、他の学科での博士との違いはありません)
Diplomkaufman, Dipl.-Kfm., Dkfm. 商学士
Ingenieur, Ing. エンジニア
Professor, Prof. 教授(大学の教授でなくても、Professorの称号を授与されることがあります)
Direktor, Dir. 所長、部長、校長、取締役など
例えば、
Gruess Gott, Herr Doktor Strauss!こんにちは、シュトラウス博士さん!
Ich habe einen Termin mit Frau Direktor Wagner. ヴァーグナー部長さんと会合の約束があります。
というふうに使います。
肩書きを複数持っている人は、一番価値のある肩書きで呼ぶ
人によっては、Titelを2つや3つも持ってる人がいます。
呼ぶときは、全てを並べるのではなく、より価値のある肩書き一つだけを使います。
Titelには、授与された称号、仕事上の肩書き、大学からの学位があり、そのうち、一番価値が高いのは、授与された称号です。
例えば、授与された称号のProfessor、仕事上の肩書きであるDirektor、そして学位のDoktor の3つを持っている人は、Herr Professor と呼びます。
ただし、手紙やメールでは全ての肩書きを書きましょう。
名前を忘れても大丈夫
久し振りに会って、名前が出てこなくて困ったときは、このTitelがとても役に立ちます。
なぜかと言いますと、Titelだけで呼ぶこともできるからです。
例えば、Guten Abend, Herr Professor! というふうにです。
名前を忘れやすい方にはとても便利ですね。
最後に
最近は、グローバル化によって仕事上でもプライベートでも、下の名前で呼ぶことが増えてきています。
下の名前で呼び合う場合は、Titelは使われません。
でも、苗字で呼び合うときに、肩書きをつけると、相手を尊敬しているのを表現でき、相手も良い気持ちになりますので、使いこなせるとお得です。