ウィンナ・ワルツの作曲家といえば
真っ先に名前が上がるのが
ヨハン・シュトラウス親子だと思います。
それぞれ
「ワルツの父」「ワルツ王」
と呼ばれていますね。
しかし、
ワルツやギャロップなどのダンス音楽や
舞踏会の発展に寄与した
もう一組の親子については
あまり知られていません。
その名はラーベンシュタイナー。
父親のフランツ・ラーベンシュタイナー
(1810-1859)は、まずダンサーとして
ケルントナートーア劇場の舞台に立っていましたが
そのうち2区にあったダンス・スクールで
ダンス教師になります。
その頃、ヨハン・シュトラウス(父)や
ヨーゼフ・ランナーらの小さなオーケストラは
今のウィーン2区にあったシュペール、オデオン、
3区のソフィエン・ザールなどで開催されていた
ダンス・パーティーで演奏していました。
参考:シュペールのために作曲されたギャロップ
「シュペール・ギャロップ」
シュトラウスは、
親友のラーベンシュタイナーに
ダンスの振り付けを頼んで
それは大成功を収めました。
シュトラウス家とラーベンシュタイナー家は
とても仲が良く、
シュトラウスはラーベンシュタイナーの子供たちの
洗礼の代父を務めるほどだったそうです。
息子のエドワード・ラーベンシュタイナー
(1839-1905)もタンツ・マイスターとして
1855に父からダンススクールを継ぎ、
ヨハン・シュトラウス(子)が指揮する
舞踏会での振り付けを担当しました。
ウィーンのダンス音楽と舞踏会は
この2組の親子によって築かれた
と言っても過言ではないでしょう。