ウィーンでは、自宅に招待したり招待されたりする機会がとても頻繁にあります。
家族や友達、会社の同僚、ご近所との付き合いはとても大事にされ、クリスマスやイースター、誕生日などのパーティーが企画されます。
会社の上司に「週末にうちへどうぞ」と言われたら、それは心からの好意で、冗談や口先だけの親切などではありませんので、喜んで承諾しましょう。
同じ人からの招待を何度も断るのは良しとされていません。また、一度招待されたら、次は自分が招待しましょう。
テーブルセッティングのマナーは、大きく分けて2つに分けられます。
- 朝食やティータイムなどの、気軽でシンプルなもの。
- 昼食や夕食、もっと大掛かりな食事。
この2つを詳しくみていきましょう。
Das kleine Gedeck (小さなテーブルセッティング)
具体的には、朝食、またはコーヒーとケーキだけでの招待がこれに当たります。
テーブルクロスがあればより良いですが、ランチョンマットでも構いません。
ナプキンは、紙製のものでOKです。
ナイフとフォークの置き方に、特に決まりはありません。
パンはそのままかじらずに、一口大に切って食べるのがマナーですが、朝食に出されるパンは例外です!
ウィーンの典型的な朝食に、「センメル」(ドイツ語:Semmel)というパンは欠かせません。
このセンメルは、手で小さくちぎって食べるのではなく、ナイフで横に半分に切って、バターやジャムを塗って食べるのが主流です。
Das grosse Gedeck (大きなテーブルセッティング)
こちらは、スープ+メインディッシュ+デザートの組み合わせか、それよりもコースが多い食事会のためのセッティングです。
食事会では必ずテーブルクロスを敷きましょう。
まず中心に飾り皿を置いて、その上に布製のナプキンを置きます。
ナイフやフォークは決まりに則って配置します。
ここで気をつけたいのが、最初に置く本数です。
左側には3本まで、右側には4本までを置くようにし、5コース以上になる場合は、途中で追加します。初めから全部並べておくことはしません。
そして、使う順序は、外側からになります。
スプーンはスープにだけ使い、他の料理は必ずナイフとフォークの両方を使って食べます。
デザート用のスプーンとフォークは、左右ではなくて、飾り皿の上方に置きましょう。
パン用のお皿(ドイツ語で Brotteller)は、左側に配置し、専用のナイフ(ドイツ語で Brotmesser)を用意します。
パンのお皿は、メインディッシュの前に片付けるのが一般的です。
サラダのお皿(ドイツ語でSalatteller)は、左側上方に置きます。
葉物はあらかじめ口に入る大きさに切ってあるのが理想ですが、もしレタスなどが口に入らない大きさで出された場合、ナイフで切ってから食べましょう。
オーストリアでは、多くの場合、メイン料理とサラダが一緒に出されます。典型的な例が、シュニッツェルとサラダ。
飲み物は、お客さんそれぞれに対応できるように、何種類ものグラスをテーブルに用意しておきますが、多くても一人4個まで!
例)お水用のグラス、ビール、ワイン、ロングドリンク
飲むものが分かったら、使わないグラスは片付けても良いです。