ワーグナーが作曲したオペラの一つに「ニュルンベルクのマイスタージンガー」があります。
「マイスター」(ドイツ語:Meister)制度というのは、ドイツ語圏で古くからある高等職業能力資格認定制度で、
オペラの中には、靴屋、金細工師、パン屋、仕立て屋などのマイスターたちが登場します。
オーストリアでは今でも、マイスター制度がしっかりと残っています。
オペラにも登場する職業はもちろん、手工業者、家具職人、電気・水道・ガスなどの取り付け職人、建築士、床屋、煙突掃除人など、いろいろな職業にマイスターが存在します。
その中に、ダンス教師のマイスター(ドイツ語:Tanzmeister)もいます。
ウィーンでダンススクールを開校し運営するには、この「タンツ・マイスター」の称号が必須になります。
マイスターになるための研修と試験を受けるためには、まずダンス教師(ドイツ語:Tanzlehrer)の国家資格を取る必要があります。
ダンス教師になるための国家試験については、こちらをご覧ください。
ダンス教師のマイスター課程は、7時間 ×7回の授業と、ビジネスプランの作成、筆記試験からなります。
授業と試験の内容は、
- 経営学
- 消費者基本法
- 損害補償義務
- 営業法規
- データ保護法
- Eコマース
- 労働法
- ビジネスプラン(提出&プレゼンテーション)
- 簿記
- 企業経営
- マネージメント
- マーケティング
などがあります。
私は2020年10月からマイスター課程の授業を受けました。
筆記試験では、「○○を説明しなさい」とか「○○との違いはなんですか」のような記述を求める問題がほとんどで、120分の制限時間いっぱい、高速で書き続けないと終わらない程の量でした。
これに加えて2年間の実務経験を経たあとに、ついにマイスターの称号が与えられます。
マイスター課程で法律や経済の専門用語をたくさん学んだおかげで、ニュースを見ていても理解度が高まりました。
マイスターの証明書がどんなものか楽しみです。